舌を噛みそうに長い名前ですが、この地域の住民なら覚えておいてほしい『西宮市社会福祉事業団小松北町事業所』。
自分には関係ないと思われがちですが、誰しも歳をとるので、ここのサービスに一生無縁という人はなかなかいないはず。
しかも日々じわじわと変化があるので、いざ困った時に、どこへ相談にいけばいいのか、と途方にくれてしまうもの…。だからこそ、覚えておきましょう。
ここの事業は5つ。
まず1つ目が福祉用具のレンタルと販売。
骨折して日常生活が不自由になったとか、春休みだけおじいちゃんが家に遊びに来るといった時、快適に過ごせる用具を借りてみるのもいいでしょう。
2つ目がケアマネージャーの相談。そろそろ介護が必要かも、という家族の相談が気軽にできます。
そして3つ目が訪問看護師の派遣の依頼。
4つ目がホームヘルパーの派遣の依頼。
5つ目が高齢者の全般の相談窓口。高齢者の悩み全般を丁寧に聞いてくれます。
「5つの窓口のどれに当たるのだろう?と悩む必要はありません。何かしら不便、不自由、不安だと思われたら、まずは話をしにいらしてください。こちらで5つの部門が連携して相談にのりますので」と介護保健課の課長・向井基能さん。
「うちの魅力はケアマネージャーとホームヘルパー、訪問看護師、福祉用具のエキスパートが事務所内に揃っていることです。だから連携プレーができるのが自慢です。
例えば、日々の生活で支障が出て来たという相談を受けると、実際の生活の場=ご家庭をケアマネージャーと福祉用具の担当者が見に行って、バリアフリーに改善すべきところや必要な福祉用具を考えたり、ヘルパーや看護師の派遣の必要性を判断いたします」と説明を聞いて、なるほど納得。
あっちこっち訪ねなくても、ここに来れば、福祉関係の悩みのベストな解決法をその道のプロ達が考えて提案してくれるというわけです。
実際に現場の声をヘルパーさんと訪問看護師さんに聞かせていただくと「重要となるのが、相談するタイミング」だそうで。実際、家族だけでケアしていると介護する側もされる側も、ストレスがたまり、ますます環境が悪化する場合も…。
第三者のヘルパーや看護師が訪ねることで、家族は束の間、ホッとできるし、介護される側も気が張ってしっかりするというケースも多いので、早めに相談してください、と親身になって話をされました。
ところでヘルパーの仕事は想像ができるけれど、あまり馴染みのない訪問看護師とはどういうお仕事? 看護師の岡部良枝さんのカバンの中を見せてもらうと、マスクに作業着、聴診器、血圧計、酸素計…往診のドクターのカバンみたい。
「医療面で不安がある介護者を訪問という形でサポートします。現場経験があるので、必要ならば注射や点滴も家でできます。また「認知が進んだ」「食事がとれていない」といった状況を見つけた時は、医師につなげて薬を替えてもらったり、医師の臨時訪問をお願いしたり…。
介護と医療をつなぐ仕事で、一人でも多くの人が住み慣れた自分の家で過ごせるよう、お手伝いをしたいと思ってます」と話された後「だから諦める前に相談してほしいのです」と付け加えられました。
ちょっとした相談にも笑顔で応じてくれて、自転車やバイクで颯爽とヘルパーさんと看護師さんが訪ねて来てくれて、連携プレーで在宅看護を支えてくれるシステムが近所にあるという安心感…ありがたいもの。うまく利用して、家族揃って楽しく暮らしたいですね。