昔ながらの商店が健在し、古くから住むお年寄りも大勢いる地域に8年前に誕生したコンビニエンスストア。切り盛りするのは若き上野峰之さん、千寿さんご夫婦です。
「オープン当初、若い方には待望のコンビニという感じですぐに受け入れられたのですが、年配の方はとまどわれていた様子。でも今では「こんにちは」と店に来られて「この前のお弁当、美味しかったわ」などとお話してくれる常連さんも増えて、嬉しい限り」とのこと。コンビニって、ともすれば客側は無言で用事をすませてしまいがちなのに、ここでは昔の「よろずやさん」感覚で訪れる人がいるみたい。
なるほど、店側もチェーン店なのに他の店にない工夫をしています。例えば、年配の方が買い物しやすいように、通常あちらこちらに点在される和菓子をひとところにまとめて手描きのポップで「和菓子コーナー」が作られています。ちなみにこの店では季節を通して、どら焼きが大ヒットだそうで。
そうそう、最近人気のコンビニスィーツですが、この店ではミセスや女子高生より会社帰りの男性ファンが多いというデーターにも、びっくり。けやき散歩道界隈にも、いわゆるスイーツ男子が増えてきていることを初めて知りました。
他にも重いカゴを持つのが大変なお年寄りや子供用にと、小さな買い物カゴが用意してあったり、迷う人が多いからと『トイレ』『ATM』の手描きの大きなポップを掲げてあったり。ほのぼのさせられる個性があれこれ。
さて肝心の品揃えに関しては…。出先で立ち寄る一見さんよりもダントツに地域の人の来店が多いので、ちょっとした買い忘れや昼食、夕飯の足しになるようにお惣菜やお弁当の充実を心掛けているそうです。
「毎日通っても飽きないように、季節によって種類も変えて、できるだけ多数扱うようにしています」と言うのは、お弁当の仕入れ担当の奥様。麺類が好まれるという傾向があるので、そのまま電子レンジで温めることができるパスタやうどん、そば類も豊富に揃っています。
「新商品はほぼ取り扱うよう気を配り、その味見もします」と言うのは、アイスクリーム担当のオーナー。「勉強熱心というより、アイスクリームが好物なもので」と聞き、思わず笑ってしまいました。
すると「アイスクリームだけでありませんよ。セブンプレミアムのお惣菜ラインは、本当に美味しくて…。冷凍食品も便利でおいしいので、できる限り多数扱うようにしています。夫婦で仕事をしているので、帰宅して食事を作るのが面倒な時も多々あるんですが、そういう時には、商品をチンして食卓へ。
なかでも冷凍のエビグラタンはお気に入りです」と峰之さん。セブンイレブンの商品を、実際に愛用しているからこそ、お客さんにも自信をもって紹介できるというわけですね。
それにしても朝から夜まで一緒。仲良しなご夫妻とはいえ、喧嘩することはあるようで…「ささいなことで、しょっちゅう喧嘩になりますよ。でも忙しくなると、喧嘩どころでなくなるんですよね」。つまりは繁盛こそが、家庭円満につながるということでしょう。なにせ「結婚してコンビニ、一緒にしませんか」というのがプロポーズだったというのですから!
これからスイート10をはじめ、記念すべき節目節目をふたりと共に迎えるコンビニ。ますます地域に愛されて成長していくことでしょう。