「タックフィジオ」のフィジオとは理学療法という意味。タックはテカール&コンディショニングという言葉のアルファベットの頭文字をとった「TAC」。
専門的な店名でスタイリッシュな外観のコンディショニングルームなのでアスリートや運動をしている学生のための施設と思われがちですが、実は40代以上の一般の人が多く通っています。その理由を探るべく取材に伺うと、にこやかな二人が出迎えてくれました。
オーナー芝地秀幸さんは理学療法士であり、マラソンや陸上の世界大会に召喚される日本スポーツ協会公認のアスレティックトレーナー。南舎多枝さんは全米ヨガアライアンスの上級資格を持つトレーナー。そんなふたりがダイエットや腰痛、肩こり、体力向上といった相談に真剣に向き合ってくれます。遠方からもやってくる人がいる最大の理由が、テカールの施術。テカールとは怪我の治療や身体の痛みの改善、疲労回復ツールとして医療、スポーツ、美容の現場で活躍している高周波温熱器。ヨーロッパでは20年以上も前に普及しているテカールを、日本で初めて導入したコンディショニングルームが「タックフィジオ」です。
テカールと芝地さんの出会いは2014年。ベルリンマラソンでランナーのメンテナンスに現地に出向いた際に、テカールを使うと疲労回復や身体の痛みの軽減がとても早くなるのを目の当たりにし、その後イタリアのクリニックに勤務して使い方を習得。陸上のアフリカ選手のトレーニングに同行して経験を積み、日本でも広げようと開業を決意されたといいます。テカールの温熱効果は筋肉の奥まで届くので、身体の深部の血流が増加し、細胞の代謝や組織の修復を促進します。特に「タックフィジオ」にあるスイス製のテカールは、世界で唯一、300ワットの出力が可能で、出力が高いので短時間で効果が期待できるのだそう。2022年のオレゴン世界陸上で芝地さんがテカール施術をした世界のアスリートたちが金3個、銀3個、銅1個のメダルを獲得したという話だけでも凄さは伝わります。日本に入ってくるのは世界から少し遅く、浸透するのはこれからのようですが、実はサニーブラウン選手はすでに取り入れていて、芝地さんが施術しているのだそう!そういった世界レベルのアスリートのメンテナンスはもちろんやりがいがあるけれど、芝地さんがテカール施術で重きをおいているのは、多くの人の悩みをきちんと解消することなのです。
小学生から高校まで野球をしていた芝地さんは、スポーツに携わる仕事がしたいと思い、スポーツトレーナー育成の専門学校へ。ところが実際に理学療法士として病院勤めをしてわかったのが、身体に支障がある人に用意されるリハビリ期間はかなり短く、内容も限られているということ。そのために根本的な部分が改善しないままリハビリを終了する人が多いことが、ずっと気がかりでした。そこでアスリートの身体に驚くほど効果があるテカールでたくさんの人を元気にしたいと思い、開業に至ったのです。「リハビリですっきりしない人にテカールを広めたい。そしてどこに要因があるのかを探して、痛みが再発しない予防まで伝えたい。スポーツをするにしても健康が大前提だから」と。そんな想いに共感したのが、専門学校時代の同期の南舎さん。ヨガをする人も、何か身体のアンバランスや痛みを抱えている人が多く「テカールで可動域が広がったり、肩こり、腰痛が改善されて、動きがずっとよくなるのを体感し、みなさん驚かれます。また身体が整ったからヨガを始めたいという方もいて、嬉しいです」とにっこり。
保険適応外の自費診療ですが、今まであれこれ試してもよくならなかった人の大半が1ヶ月から数ヶ月で悩みから解放されると聞くと、安心して悩める人に勧めたくなります。しかも腰痛や肩こりなどの身体の不調以外に、テカールの温熱効果はダイエットや美容効果もおおいに期待できるとのこと。そんな施術をいち早く受けられることはとても魅力的だけれど、ベストな身体作りに親身になってくれるふたりのトレーナーの人柄が何より魅力的だと思います。