「しばらくコーヒーの勉強をしてきます」といったメッセージの張り紙を残し、10年以上親しまれてきたオシャレな子供服のセレクトショップが突然、クローズ。3ヶ月の沈黙を破って誕生したカフェ『コフレア』は、まさに近隣の人々が求めていたスタイルでした。
外まで漂うコーヒーの香りに心躍らせて店に入ると、ずらり30種の生豆が出迎えてくれます。そう、ここでは焙煎したて、挽きたての一杯を飲むことができるのです。
店内、ほどよい距離感でソファーやテーブルセットが置かれています。家具のタイプはバラバラですが、さすがファッション界で長く仕事をされていたご夫婦のお店、テイストは揃えられていて、どこに座っても落ち着きます。
「美味しいコーヒーが飲めるカフェを目指そうと思って珈琲マイスターのもと、1から学びました。その際に工場で1週間前に焙煎した豆と自家焙煎した豆と飲み比べると、その違いは歴然としてて…。まずカフェに焙煎マシンを置くことを、決断しました」とおっしゃる有馬正浩さん。
カウンターの中に鎮座した大きなストーブのようなものが、その焙煎マシンです。生豆を放り込むと、真っ赤な炎がチラチラあがり、いいあんばいにローストしてくれます。冬場は暖房いらずでいいのですが、夏場の焙煎は脱水状態になりかねるのが、たまにキズだとか。
そうやって表舞台ではご主人が1杯のコーヒーに情熱を注いでいるのですが、舞台裏での奥様・幸子さんの奮闘ぶりがこれまた熱い!
というのも、ご自身、近隣でママ友とランチをすることも多々あったので、ユーザーの気持ちがわかる立場。「コーヒーと相性のいい料理やお菓子で、もてなしたい」という2人の想いにプラスして「家で食べられる料理は出さない」という目標まで掲げてしまったのです。
そこで具だくさんの本日のサンドイッチに、グリーンカレーやチキンカレーなど、子育てママが家で作ることがめったにないエスニックテイストスープやカレーなどを日替わりで用意。
また、女子力がアップすると話題を集めるアサイーボウルを本格的に提供しているのは、甲子園でもここだけでは?
ケーキはコーヒーと口の中でうまくマッチする濃厚な味わいのチーズケーキにシフォン、ガトーショコラの3種。どれもオープン当初から大好評。レシピを奥様に聞きたくてウズウズしているミセスも多そうです。
しかもオープンしてしばらくで、お客さんからの要望があまりにも多くて…と、モーニングをスタート。これも普通の焼いただけのトーストに加え、ひと手間かけたチーズトースト、アーモンドトーストも用意されていて、出勤前のサラリーマンや近所のシルバー世代などに常連さんが生まれています。
さて、肝心のコーヒー。モーニングやランチにつく1杯はマシン落としですが、単品でコーヒーを頼むと週替わりの3種から豆を選択し、落とし方もフレンチプレス、エアロプレス、ハンドドリップから選べます。
せっかく30種類もあるのだから、いろいろ個性的な味も試したくなりますが、結局、これ!と評判なのが、甲子園ブレンドと、コフレアブレンドだそうで。
特にコフレアブレンドは酸味や苦みが優しく、甘い香りが人気で後味までも豊か。まさにこのカフェ同様。優しい空気が流れていて居心地がよく、帰宅後も穏やかな安らぎで、一日ほっこり過ごせます。