▲ささべさんの新型コロナウイルス感染防止対策について【動画】
店先に談笑がこぼれる「ささべ」さん。のぞくと笹部博子さんが、けやき散歩道の「万福」のご主人と器を片手に盛り上がっています。
「この湯呑み、似た模様のもあるけど、これは強化塗料が使われてるから、割れにくいでしょ?」「そうやねん。だからこれ、追加で20個頼みますわ」。
まず、近隣のお店の常連客が多いことに驚きます。商品はどれも定価の10~15 %割引とはいえ、なにせホームセンターやスーパーなど大型の激安ショップが激戦を繰り広げているこの時代にナゼ…。
例えばあるお店のご主人のこんな話を聞きました。「8リッター沸かせる大きな業務用のヤカン。ささべさんだと1万円するから、と、若いもんが安いのを見つけて買ってきたら、1週間で手がとれて大やけどしてしまって。やっぱりささべさんでなきゃ」。
たまたまその人には粗悪品が当たったのかもしれませんが「安かろう、悪かろう」が、我慢ならない博子さん。
値段が高くても、長く使ってもらえるものをすすめたい。そこで開店から40年近く、ずっと日本製で安心して使ってもらえるものを中心に揃えてきたといいます。
荒物屋の二代目に嫁ぎ、お姑さんにみっちり教わって獲得した目利きは本物。加えて実際に使って、納得したものしか取り扱わないという主婦目線の品揃えとあって、主婦ファンも多いのです。
万福のご主人が帰られた後、常連のご夫人が「そう、この雪平鍋が欲しかったの。ミルクパンの代わりにもなるし、重宝するのよ」と、とりおき品を満足げに持って帰られました。
雪平鍋と言えば、打ち出しの凸凹があるアルミの鍋。美しくて見とれてしまいました。「そりゃそう!安価の型押しのとは違い、最高のアルミを使って本当に職人さんが打ち出してるから。美しいだけでなく、丈夫で熱伝導がいいの」と、得意げな博子さん。
炒めもできるのでキンピラみたいな炒め煮にも最適だそう。
フライパンのおすすめも尋ねてみたところ「鉄に限る!最近はなんやら加工とか言って油をひかないでいいものが好まれるけど、私の鉄のフライパン、40年現役ですよ。油をひかず、空焼きして水をポロンと落として。それが玉コロになったら、OK。
絶対にこびりつかないよ。鯖とか焼いたら、どんだけ美味しいか!しかも鉄分が体にはいって、いいんです」とにっこり。
調理器具だけでなく消耗品にもこだわり。例えば黒いゴミ袋。45リッター10枚98円也。厚手0.03mmと低密度ポリエチレンがミソ、だそう。少々尖ったゴミが混じっても破れることがないそうで。誰しも家庭ゴミの袋が破れて二重にした経験があるのでは?衛生管理を徹底している病院が大量購入していくと聞けば、魅かれません?
キッチン用品からお店の厨房用品まで、15坪の店内に処狭しと置かれた商品をすべて把握していて、要望の品をどんぴしゃと言い当てる博子さん。
売ったら売りっぱなし、でなく、修理などの相談にものります。主婦の方々の要望で、週に1度、堺の刃物研ぎの職人さんに包丁研ぎの注文も引き受けています。
「こんなのない?って、みなさん、ややこしいこと言うのよ」と苦笑しつつも、お客様を満足させることにやりがいを感じている姿、イキイキしてます。日々の暮らしのなか、お探しものがある際は、博子さんに相談されると確実に良品が見つかりますよ。