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石焼き、とくれば、芋。ではなくて、この界隈での正解はカレー!ネーミングからしてインパクトがある石焼きカレーですが、とにかくびっくり。
韓国料理のビビンパでおなじみのあの黒い石鍋でグツグツ音を立て、湯気モウモウで目の前に登場するのです。
10年前に建築関係の仕事をやめて、心機一転、飲食店をはじめようと決心したオーナー・小西由希子さん。
自分で作るのも食べるのも大好きなカレーで勝負することにし、なにか特徴をもたせたいと思った時に思いついたのがこのスタイルだったといいます。
「このカレーでいく、と聞かされて驚きませんでした?」と、開業時から小西さんの右腕として今日までやってきた玉利京子さんに尋ねたところ
「いえいえ。先輩の家でみんなでご飯をよばれた時に、大きな石鍋で焼肉をした後、その上でシメにご飯を焼いてもらったりしていたので、食べ慣れていたし、美味しいのは知っていました」と笑顔。
高校時代のバスケット部の先輩、後輩なだけに、今もあ・うんの呼吸で狭いキッチンの中、隙のないファインプレーを見せてくれます。
さて、石焼きカレーの正しい食べ方ですが…
「本来は、フチに出来た焦げをスプーンでこそげて外す感じに食べすすめてもらえば、トロトロのところやカリカリのところなど、さまざまな食感を1皿で楽しんでもらえるのでおすすめやけど、最後はお好みでビビンバみたいにしっかり混ぜて食べるのも、あり、かな」とのこと。
確かに火からおろした後も刻一刻とライスの焦げ具合がかわっていくのが魅力です。しかも今回、オーダーしたのが人気ベスト3にはいる「ふわふわ半熟オムレツ石焼きカレー」でして。
ふぅふぅしながら食べ始めるも、オムレツのトロットロの玉子のラッピングで普通よりも保温力がアップ。最初から最後まで同じ熱々具合でいただけて、熱いものを熱いまま、口の中を火傷しながらでも食べるのが大好きな私は大満足。
ただ猫舌の人はかなり完食まで時間がかかるらしい。「例えばグループで石焼きと普通のカレーが通ったら石焼きから先に作って出します」「また女性や子供さんにも、先に出すようにしてます」と、食べ終わりが、一緒に来た仲間で同じ頃になるように配慮をしている小西さん。
「それでも石焼きの人が食べ終わるのが遅いかな」と茶目っ気たっぷりに、ふふふ、と笑います。だってその熱々がウリ、なのですから。だからカレーは飲み物、だなんて豪語する人もいますが『か里音』のカレーは絶対に不可能でしょう。
お味のほうは…これまた個性的で、なんとも表現しがたい。いろいろな香辛料が効いていてスパイシーだけど、トロットロに煮込んだすじ肉がまろやかで、家庭的な味わいを醸し出しているので、老若男女に受け入れられるという感じ。
ナンプラーや柚子ジャムを隠し味に入れていると、取材のたびに明かしているけれど、さらなる隠し玉があるに違いありませんが、残念、言い当てられる自信がありません…。
とにかく一度食べると、8日後ぐらいにもう一度食べたいなぁと思い出して舌なめずりしてしまう、クセになる味、です。辛いのが好きな人には辛さを増してくれるシステム(値段そのままの辛口からハバネロによるレベルアップまで(+50 円〜))もあるので、興味があれば挑戦してみてください。