2018年、旧国道沿いのレンガ造りのビルの二階に誕生したカフェ。
白いペンキでレンガや木材にダメージ風味をつけた隠れ家風の外装は、オーナーの作品。以前、建設の仕事をされていたので、内装の床や壁なども奥様の手を借りて、手作りしたのだそう。それゆえ唯一無二で居心地のいい空間に。思わず長居がしたくなります。
自慢は、オーナーの本気が詰まった珈琲と紅茶です。「建設の仕事をする前、喫茶店やカフェの厨房経験が約10年間。喫茶店全盛期の当時、務めていた梅田の店で使っていた珈琲と紅茶の味が好きで、自分の店でも使いたいと思ったんです」とおっしゃるオーナー。店内にはタイガーコーヒーの鮮やかな黄色の缶と、紅茶好きなら知っているムジカの黒い缶が並んでいます。珈琲はオーダーが入ったら豆を挽き、ネルドリップ(布フィルター)で1杯ずつ湯を注いで淹れます。「冷めても最後の一滴まで美味しく飲んでほしい」という想いが詰まった丁寧な一杯。信楽や美濃、備前焼きなど気に入ったものを揃えたという器は、手にほっこり収まり、唇の当たりも優しく、たっぷり珈琲が注がれているので嬉しくなります。なるほど、店先に「珈琲&紅茶屋」というサブ看板を掲げているだけあります。
オーナーの熟練の技は、ドリンクにとどまりません。食事メニューが充実していることにも注目。500円でいただけるモーニングのトーストのアレンジは4種。なかでもすぐに真似したくなるのが玉子チーズトースト。ひと手間加えると、ここまでトーストが簡単に美味しく変身するのだなぁと、実感。常に8種類ほど用意されるランチがこれまた、サラダやスープもついて、アンダー1000円。プラス200円で珈琲か紅茶が付けられる。「僕自身、食後に珈琲をつけて1000円以内に収まると嬉しいなぁと思っていたので、できるだけそうしたかったんです」と優しいオーナーの心遣い。しかも料理はどれもボリュームがあって、満腹感を味わえること間違いなし。
豚バラてりてり丼やカルビスタミナ焼肉、ジューシー照焼きチキン…美味しそうなメニュー名が並ぶが、一番人気は『カレーオムカレー』(サラダ・スープ付)800円。名前にカレーが二度出てくる理由は…。見た目はカレーがかかったオムレツですが、割ると中には具だくさんのドライカレーが詰まってます。これまたオーナー自身が大好きなドライカレーを使った名物メニューを、と考案したもの。一口目、香りよくて甘いドライカレーが食べ進むうちに、ホッホッと刺激的な辛さを増していく大人向けの変化球オムライス!クセになります。もうひとつ名物は『とろとろポークカレー』(サラダ・スープ付)700円。煮込んだ豚肉カレーと早とちりするなかれ。カレーライスのルーは牛カレー。その上に、トロトロに圧力鍋で茹でた豚バラ肉の固まりが豪快に盛りつけられています。
店内には店名通りロック音楽がかかっていますが、ガンガンに押しつけてくる感じでなく、あくまでBGM。もちろんロックファンの方は、オーナーと音楽談義を楽しむのもよろしいかと。